イギリスでは、第二次世界大戦の終った1945年から78年までの間に建築された住宅の58.6%は公営住宅であった。3LDKが半数以上。家賃は収入の6分の1以下。失業などして収入が減ると家賃が大幅に減額され、失業保険が入るので路頭にまようということはなかった。その公営住宅政策をサッチャー政権は大幅にカットした。同時に既存の公営住宅を最大限半額に割引きして居住者に売った。その結果、1978年に住宅ストックの32%をしめた公営住宅は、94年には18.6%に減った。
(参考サイト)
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持ち家を奨励した結果、家の値段は急騰した。その一方で公営住宅は新規建設も空き家募集もないから、家を見つけられない人が増えた。サッチャー政権以前は、持ち家購入者が失業などでローンを返せなくなると、政府が利子部分を肩代わりし元金は先送りにしてくれた。半年たっても仕事が見つからずローンを返せないときは、家を売って公営住宅に入ることになる。それが今は、家を売るにも値段が下がって借金がのこる。入るべき公営住宅はない。その結果、大量のホームレスが生まれた。自治体がホームレスとして受け入れた数は、1991年のイングランドだけで14万6290世帯、約42万人。しかし、イギリスの居住運動団体は、その10倍以上の約172万世帯と推計している。イギリスには、1977年にシェルターなどの努力で成立したホームレス法がある。占有する権利のある宿泊施設を持たない、緊急避難施設に住んでいる、家がないために別居せざるをえない、家庭内で暴力にさらされている、などの者に対して自治体はなんらかの居住施設を提供しなければならないのである。