母もまた有名私立中出身で、できれば子どもも私立中へという強い希望もあった。こうして兄が合格したところで2歳ちがいの弟の勉強をスタートさせた。もっとも弟は成績もよく、はじめからトップクラスを走り、開成もねらえたが兄と同じ学校に決めた。弟は兄とちがい、神経質なので気持ちをリラックスさせるのがたいへんだったという。「受験はほとんど親の力です」母はそう言った。中学受験は親主導なのである。さて、その後、再就職に向かったのは、そのひとの賢い選択であった。再就職先はなんでもよかったのだが、とりたてて資格もキャリアもない中年女性にとって道は険しく、なんとふたりの息子を合格させたというキャリアがもっとも世間で評価され、地元の塾に勤めることになった。
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