日本では新聞の宅配制度が行き届き、アメリカほどの変化は起こらないと見られている。しかしはんとうにそうかはわからない。米新聞協会のサイトには、一九四〇年以来の新聞販売部数や新聞サイトへのアクセス数などが載っている。平日の新聞の販売部数は一九八八年以来減り続けているが、二〇〇三年まではおおむねI%以下の減り方だった。それが○四年には1%を超え、それ以後、減少幅は拡大し、○八年には前年比四%を超える減少になっている。一方、二〇〇五年の夏ごろまで、月一回以上、新聞サイトにアクセスした人(ユニーク利用者)は四〇〇〇万人から四四〇〇万人ほどのあいだを上下していた。ページヴューも平均すると一七億ほどだった(一回ウェブ・ページを見ればIページヴュー)。○四年から○五年にかけて新聞サイトのアクセスはあまり伸びなかったにもかかわらず、○五年夏から利用者数もページヴューもふたたび増え始め、二年間で新聞サイト全体の利用者数はI・五倍、ページヴューは倍近くになった。その後もさらに伸び、○八年八月には利用者数が七〇〇〇万に近づき、月間ページヴューは三四億を超えた。二〇〇五年ごろから新聞講読にかなり大きな変化が起こったことが推測される。このようにアメリカを見るかぎり、印刷版からウェブヘのニュース講読の移行はかならずしも緩やかな変化として起こったわけではなかった。あるときからかなり急激な変化として起こっている。こうした推移は、日本の新聞講読がどう変わっていくかを考えるうえでも興味深い。変化かいったん起こり始めると、それはかなり急激なものになるかもしれないことを示唆している。