美ハリ★BLOG

あたしはスタイルを作りだした

2011.06.20

アメリカは、シャネルを支持する際、ディオールのニュールックに対して、シャネルルック」という言葉を使った。シャネルはこれをはねのけた。シャネルルック?とんでもない。モードではなく、あたしはスタイルを作りだしたのだ。「モードは変わるが、スタイルは不変」というのがシャネルの信条だった。一九五九年、初めて、テレビインタビューに応じた。「街はあなたの服であふれていますね」と、インタビュアーが切り出す。フランスにスタイルをもたらすことがあたしの長年の夢だった。スタイルとは街を歩く人々が作り上げてゆくもの。夢は叶ったと思う。シャネルースーツを着て、激しい身振り手振りで、なにかに怒っているように喋る。また、「ミニスカートは?」と質問に対しては吐き捨てるように言う。大嫌い。なぜあんなのをはくのかわからない、あんなものを好む男性の気持もわからない。膝を出す女性は下品。あからさまに見せる服は魅力的ではない。一九六〇年代はミニスカートが流行した。けれどシャネルは決してスカート丈を上げようとしなかった。膝は関節。見せるものではない。誰もが十五歳ではない。残念だし、そしていいことだ。四十歳から女は本当の女になり、ようやく着方がわかってくるのだから。あたしは恥じらいを持ったエレガンスを本当の女たちのために、戦い、守る。確かに、誰もがミニスカートが好きなわけでもないし、そして、似合うわけでもない。以前は時代の先端を走り、次々と新しいものを発表し続けた革新派のシャネルが、今や、保守派の代表となったのだ。あたしはシャネルスーツを二着持っている。この二着であたしはいつもちゃんとした格好をしていられる。これがシャネルどいうものだ。