バスは岩山の間に切り開かれた坂道を登っていった。高度がぐんぐんあがっていくのがわかる。そしてひとつの峠を越え、一気にくだりはじめた。この先にあるのがクエッタの街である。バスターミナルに着いたのは午後の三時だった。雪を被った山に囲まれたクエッタの街は、標高が五百メートルほどの盆地に広がっていた。すでに太陽は岩山に沈み、冷たい風が殺風景な街路を吹き抜けていた。嫌な予感がした。バスターミナルの近くに銃を売る店が何軒もあった。
[参考]
ヒルトン東京 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad375177/
高知新阪急ホテル - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad322158/
箱根強羅温泉 季の湯 雪月花 - じゃらんnet
http://www.jalan.net/yad371898/
いや、それは僕の思いすごしだろうか。パキスタンからアフガニスタンに向かう公式なルートはふたつある。ひとつはペシャワールからジャララバードを経て、首都のカブールに出るルートだった。そしてもうひとつが、このクエッタからアフガニスタンのカンダハルに出る道だった。五年前、カンダハルを訪ねたときの記憶が蘇ってくる。カンダハルはタリバンの拠点で、多国籍軍の空爆を最も多く受けた街だった。僕が訪ねたとき、市内の一部は瓦傑の山と化していた。泊まった安宿の入口では、男たちが銃を構えて警備にあたっていた。その夜、僕はホテルの人に呼ばれてロビーに出向いた。そこでカンダハル近郊の村で行われていた結婚式の会場が空爆に遭い、犠牲者が何人も出たことを知らされた。